こんだけの人が全国で暴れていたのか~

 2016(平成28)年12月4日に、全断連「第53回 全国(香川)大会」に参加しました。2000名を大きく超える出席者数でした。多くの参加者の1人として後ろの方から椅子に座って、プログラムの進行を見ていました。体験発表は心を打つものばかりで、行ってよかったとつくづく思いました。
 「それにしても多いな」と思いながら見ていたのですが、ふと―不謹慎ですが―もしこの場で酒害者の方々が全員同時にお酒を飲んだら、どうなるだろうか、という妄想が頭に浮かびました。もちろん酒害者がお酒を飲んで振る舞う行動はさまざまですが、高い確率で、ものすごい修羅場になることでしょう。誰も止められない。そして参加者の皆さんは、この場にたまたま集まっているけど、全国大会が終わればまたそれぞれの地元に帰っていくわけです。飲酒をすれば、その土地その土地でたいへんな修羅場を作り出していくことでしょう。

 「こんだけの人が全国で暴れていたのか~」

 コラムの表題はそのときに浮かんだ言葉です(写真付きの方がより実感はでるだろうと思い、私のフェースブックに上げてあります。興味のある方はご覧ください)。
 それで何が言いたいのかということですが、私は別に、酒害者や断酒会の方々をからかって、こんなコラムを書いているわけではありません。頭のなかで変にものすごい修羅場を妄想したがゆえに、それと比べて、これだけの人が断酒しているという事実は一種の奇跡のように思えたのです。こんだけの人を、しかも飲めば高い確率で修羅場を作り出す人たちを、断酒させている断酒会って本当にすごいと思ったのです。これってとてつもない、社会への貢献ですよね? そう思いませんか?


Text.奈良県断酒連合会顧問・大阪商業大学経済学部教授 豊山宗洋

2016年12月09日