断酒会の中で・・・・・

 お酒に飲まれて生活していたころ。藁にもすがる思いでたどり着いた断酒会でした。たまたま入院した病院の看護師の中に、断酒会の会員の方がおられて、その方に「お酒をやめたいのなら断酒会がありますよ。」と一言すすめられて、不安だらけで入会しました。初めて例会場に踏み込んだ時に、「よくきたね。しんどかったでしょう。頑張ったね。」の言葉かけに、初めて自分の居場所を見つけた気がしました。今まで、自分を見失っていた僕を、温かく迎え入れてくれた断酒会員に涙を覚えたものでした。

 でも、断酒することは簡単でも、断酒し続けることは決して簡単なことではありませんでした。お決まりのスリップ(再飲酒)をしてしまいました。隠れ飲みしながら例会に参加したものです。そんな僕を叱ることもなく、除外することもなく、温かく見守り、支えてくれたのも断酒会の仲間でした。「断酒会はお酒をやめている人の来る所じゃなく、お酒をやめたい人が来る所」と励まし続けていただいたおかげで、再度断酒に挑戦して、今も仲間とともに頑張っています。 一人ではできない断酒継続も、仲間とともに励むことで楽しく断酒実行できてきました。

 今、そんな中で連合会の事務局を担当させていただいています。自分自身の断酒のために、連合会の仕事をすることは大いに役立っています。それが、しいて言えば仲間の断酒につながると信じて、これからも頑張っていくつもりです。まず、一歩ふみだしてください。断酒会の中には僕と同じく共に頑張りたいと考えている仲間が両手を広げて待っています。
                

Text.齊藤吉史

2019年02月13日